ハムスターの体にしこりができていませんか?
ハムスターの体にしこりを見つけても、「元気だから大丈夫かな」「年齢のせいかもしれない」と様子を見てしまうことがあります。しかし、ハムスターのしこりには、良性・悪性の腫瘍だけでなく、膿瘍(細菌感染によって膿がたまった状態)など、さまざまな原因が考えられます。
特に、以下のような変化がみられる場合は注意が必要です。
- しこりが徐々に大きくなっている
- しこりの表面が赤くなっている
- 出血や膿がみられる
- しこりが破れて傷になっている
- 患部を頻繁に舐めたり、気にしたりしている
- 食欲や活動量が低下している
ハムスターは体が小さいため、しこりが大きくなると日常生活に支障をきたすこともあります。
エルム動物病院 大津院では、ハムスターやウサギなどのエキゾチックアニマルの診療にも力を入れており、状態に応じて外科的な治療にも対応しています。今回は、皮膚腫瘍が徐々に大きくなり、自壊・感染を起こしたジャンガリアンハムスターに対して、摘出手術を行った症例をご紹介します。
ハムスターの皮膚腫瘍とは?
皮膚腫瘍とは、皮膚やその周辺の組織にできる腫瘍のことです。ハムスターにもさまざまな種類の皮膚腫瘍が発生することがあり、良性のものから悪性のものまであります。
また、しこりの見た目が似ていても、腫瘍ではなく膿瘍や炎症による腫れである可能性もあります。そのため、しこりの見た目だけで良性・悪性を判断することはできません。必要に応じて検査を行い、しこりの大きさや発生部位、変化の様子、ハムスターの全身状態などを踏まえて治療方針を検討します。
ハムスターの皮膚腫瘍の治療方法
治療方法は、腫瘍の種類や大きさ、発生部位などによって異なります。状態によっては経過観察を検討することもありますが、次のような場合には外科的な摘出が選択肢となります。
- しこりが徐々に大きくなっている
- 出血や自壊がみられる
- 細菌感染を起こしている
- 日常生活に支障が出ている
ハムスターは体が小さく、麻酔や手術に際して慎重な管理が必要です。そのため、年齢や全身状態、腫瘍の状態などを総合的に評価し、治療によるメリットとリスクを考慮して判断します。
症例紹介|ジャンガリアンハムスターの皮膚腫瘍摘出手術
患者情報
– 動物種:ジャンガリアンハムスター
– 年齢:1歳8か月
– 性別:オス
– 病名:皮膚腫瘍
– 治療:外科的摘出
来院時の状態
5月頃から皮膚にしこりがみられ、徐々に大きくなっていました。その後、腫瘍の表面が自壊(皮膚が破れて傷になること)し、患部を舐める様子がみられるようになりました。さらに感染も起こしていたため、外科的な摘出が必要と判断しました。
手術による腫瘍の摘出
今回の症例では、腫瘍の状態や周囲の組織を確認しながら、外科的な摘出を行いました。以下に手術時の写真を掲載します。手術部位や摘出した組織が写っているため、ご了承いただいた場合のみご覧ください。
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麻酔をかけています。

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腫瘍と周囲の組織の状態を確認しながら、慎重に摘出を進めます。

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外科的に摘出した腫瘍です。腫瘍の種類や良性・悪性の判断には、必要に応じて病理組織検査などが行われます。

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手術後3日目の時点では、傷口の裂開(縫合した部分が開いてしまうこと)は認められず、良好に経過していました。引き続き、傷口の治癒状態や腫瘍の再発などに注意しながら経過を確認していくことが大切です。

ハムスターのしこりは、早めの受診が大切です
ハムスターの皮膚にできるしこりは、原因や種類によって経過が異なります。中には徐々に大きくなり、皮膚が引っ張られて傷ついたり、自壊して感染を起こしたりするケースもあります。また、腫瘍が大きくなるほど、摘出に伴う負担が増える場合もあります。
今回の症例でも、腫瘍が徐々に大きくなり、自壊・感染を起こしていたため、外科的な摘出が必要となりました。「元気だからもう少し様子を見よう」と判断せず、しこりを見つけた段階で一度診察を受けることをおすすめします。
よくある質問
Q. ハムスターのしこりは、すべて腫瘍なのでしょうか?
いいえ。しこりの原因には、腫瘍以外にも膿瘍や炎症などがあります。見た目だけで判断することは難しいため、しこりを見つけた場合は動物病院で状態を確認することが大切です。
Q. ハムスターの皮膚腫瘍は手術で治せますか?
腫瘍の種類や発生部位、大きさなどによって異なります。外科的な摘出によって治療できる場合もありますが、腫瘍の性質によっては再発する可能性もあります。また、ハムスターの全身状態によっては、手術以外の治療や経過観察を検討する場合もあります。
Q. 高齢のハムスターでも手術できますか?
年齢だけで手術の可否が決まるわけではありません。全身状態や腫瘍の状態、麻酔のリスクなどを考慮して判断します。高齢であっても、腫瘍の自壊や感染によって生活の質が低下している場合には、外科治療を検討することがあります。
Q. ハムスターのしこりが破れてしまった場合はどうすればよいですか?
しこりが自壊すると、出血や感染が起こる可能性があります。ご自宅で無理に膿を出したり、傷を強く消毒したりせず、できるだけ早く動物病院を受診してください。
Q. ハムスターの皮膚腫瘍は再発することがありますか?
腫瘍の種類や摘出の状態によっては、再発する可能性があります。
手術後も傷口の治癒状態を確認するとともに、新たなしこりができていないか注意して観察することが大切です。
ハムスターのしこり・皮膚腫瘍はエルム動物病院 大津院へご相談ください
エルム動物病院 大津院では、犬猫だけでなく、ハムスターやウサギなどのエキゾチックアニマルの診療にも力を入れています。
体の小さな動物たちは、犬猫とは異なる体の特徴や病気への配慮が必要です。当院では、それぞれの動物の状態に合わせて診察を行い、必要に応じて外科的な治療も検討しています。
今回のジャンガリアンハムスターのように、皮膚腫瘍が大きくなったり、自壊・感染を起こしたりした場合には、早めの対応が重要です。「体にしこりができた」「しこりが大きくなってきた」「出血している」など、気になる症状がありましたら、お早めにご相談ください。
執筆者
獣医師 松本
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