症例紹介

犬の胆嚢粘液嚢腫・胆嚢炎|大津院

2026.08.27

「肝数値が高い」「胆泥があります」と言われたことはありませんか?

胆嚢粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ)は、胆汁がゼリー状に変化し、胆嚢の中にたまってしまう病気です。また、胆嚢に炎症が起こる胆嚢炎を伴うことも少なくありません。

初期にはほとんど症状が現れないこともありますが、病気が進行すると胆汁の流れが悪くなり、胆嚢破裂や胆汁性腹膜炎など命に関わる状態へ進行する可能性があります。一方で、症状が出る前に健康診断の血液検査や超音波検査で見つかることも多く、適切なタイミングで治療を行うことで重症化を防げる病気でもあります。

草津市・大津市のエルム動物病院では、超音波検査による早期発見から内科治療、必要に応じた胆嚢摘出手術まで対応しています。

このような症状はありませんか?

胆嚢粘液嚢腫や胆嚢炎では、初期には症状がほとんど現れないこともあります。

病気が進行すると、次のような症状がみられます。

  • 食欲がない
  • 嘔吐する
  • 元気がない
  • お腹を痛がる
  • 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
  • 健康診断で肝数値が高いと言われた
  • 健康診断で胆泥症と言われた
  • 超音波検査で胆嚢の異常を指摘された

このような症状や検査結果がみられた場合は、お早めにご相談ください。

胆嚢粘液嚢腫・胆嚢炎とは?

胆嚢は、肝臓で作られた胆汁を一時的にためておく臓器です。

通常、胆汁は液体ですが、胆嚢粘液嚢腫では胆汁がゼリー状に変化し、胆嚢の中にたまっていきます。その結果、胆汁が流れにくくなり、胆嚢は徐々に膨らみ、胆嚢の壁にも負担がかかります。

この状態が続くことで、胆嚢に炎症が起こる胆嚢炎を併発することがあります。胆嚢炎では胆嚢の壁が傷み、炎症が進行すると胆嚢が壊死したり、破裂したりする危険性もあります。さらに胆嚢が破裂すると、お腹の中へ胆汁が漏れ出し、「胆汁性腹膜炎」という命に関わる状態になることがあります。

そのため、胆嚢粘液嚢腫や胆嚢炎は、症状の有無だけでなく、超音波検査で胆嚢の状態をしっかり評価することが重要です。

※胆泥症との違い

健康診断で「胆泥があります」と言われたことがある飼い主様も多いのではないでしょうか。胆泥症とは、胆汁の中に泥状の成分が沈殿した状態です。胆泥症があっても、すべての子が治療や手術を必要とするわけではありません。

一方、胆嚢粘液嚢腫では、胆汁がゼリー状になり、胆嚢の中を満たしてしまいます。また、胆嚢炎を伴うことで胆嚢の壁が傷み、胆嚢破裂につながる危険性もあります。

胆泥症から必ず胆嚢粘液嚢腫へ進行するわけではありませんが、状態が変化することもあるため、定期的な超音波検査で経過を確認することが大切です。

※放置するとどうなる?

胆嚢粘液嚢腫や胆嚢炎は、初期には目立った症状がないこともあります。

しかし病気が進行すると、

  • 胆嚢炎
  • 胆管閉塞
  • 胆嚢破裂
  • 胆汁性腹膜炎

などを引き起こす可能性があります。

特に胆嚢破裂や胆汁性腹膜炎は命に関わる重篤な状態であり、緊急手術が必要になることもあります。「元気だから大丈夫」と自己判断せず、健康診断や超音波検査で異常を指摘された場合は、定期的に状態を確認することが重要です。

当院が大切にしていること

①健康診断で早期発見できることがあります

胆嚢粘液嚢腫や胆嚢炎は、初期にはほとんど症状が現れないことも少なくありません。そのため、健康診断の血液検査で肝酵素(ALT・ALP・GGTなど)の上昇が見つかり、さらに超音波検査を行ったことで胆嚢の異常が判明するケースもあります。症状が出てから受診されるケースだけでなく、健康診断がきっかけで早期発見・早期治療につながることも多い病気です。

②超音波検査を中心に総合的に診断します

胆嚢粘液嚢腫や胆嚢炎では、超音波検査が非常に重要な検査です。
超音波検査では、

  • 胆嚢内の胆汁の状態
  • 胆嚢壁の厚さ
  • 胆嚢の形態
  • 胆汁の流れ

などを詳しく確認することができます。

また当院では、超音波検査だけで判断するのではなく、

  • 血液検査
  • レントゲン検査

なども組み合わせながら、肝臓や胆道への影響、全身状態を総合的に評価しています。

③一頭一頭に合わせて治療方針をご提案します

胆嚢粘液嚢腫だからといって、すべての症例ですぐに手術が必要になるわけではありません。一方で、治療のタイミングが遅れることで、胆嚢破裂や胆汁性腹膜炎など命に関わる状態へ進行することもあります。

そのため当院では、

  • 内科治療で経過をみられる状態なのか
  • 胆嚢摘出手術を検討した方がよい段階なのか

を、一頭一頭の症状や検査結果、全身状態を踏まえて慎重に判断しています。

検査結果だけでなく、ご家族のご希望やその子の生活の質も考慮しながら、現在の胆嚢の状態や治療の選択肢について分かりやすくご説明し、その子にとって最適な治療方法をご提案しています。

手術中の症例があるため、ご了承いただける場合のみご覧ください。

症例紹介

今回ご紹介するのは、定期健康診断で肝数値の上昇が認められたワンちゃんです。原因を詳しく調べるため超音波検査を行ったところ、胆嚢粘液嚢腫と胆嚢炎が確認されました。

胆嚢の状態から、内科治療だけでは胆嚢破裂などのリスクが高いと判断し、胆嚢摘出手術を行いました。

犬の胆嚢粘液嚢腫①犬の胆嚢粘液嚢腫②犬の胆嚢粘液嚢腫③

開腹し、胆嚢を露出

犬の胆嚢粘液嚢腫④
犬の胆嚢粘液嚢腫⑤

胆嚢を摘出して手術終了

今回のように、健康診断がきっかけとなって病気を早期に発見し、適切なタイミングで治療につながるケースも少なくありません。

よくあるご質問

Q1.胆嚢粘液嚢腫は薬だけで治りますか?

病気の進行度によって異なります。初期では内科治療で経過をみることもありますが、胆嚢破裂の危険性が高い場合には手術をご提案することがあります。

Q2.胆嚢炎だけでも手術が必要になりますか?

胆嚢炎だから必ず手術になるわけではありません。ただし、胆嚢粘液嚢腫を伴っている場合や、胆嚢の状態が悪化している場合には胆嚢摘出術を検討することがあります。

Q3.健康診断で胆泥症と言われました。すぐに手術が必要ですか?

必ずしも手術が必要になるわけではありません。超音波検査で胆嚢の状態を確認しながら、経過観察や内科治療を行うこともあります。

Q4.健康診断で肝数値が高いと言われました。胆嚢の病気の可能性はありますか?

はい。肝数値の上昇は肝臓だけでなく、胆嚢や胆管の病気でもみられることがあります。必要に応じて超音波検査を行い、原因を詳しく調べることが大切です。

Q5.症状がなくても治療が必要ですか?

症状がなくても、超音波検査で胆嚢破裂の危険性が高いと判断される場合には治療をご提案することがあります。

Q6.胆嚢粘液嚢腫になりやすい犬種はありますか?

中高齢犬で多くみられ、シェットランド・シープドッグ、ミニチュア・シュナウザー、コッカー・スパニエルなどで発症しやすいことが知られています。

Q7.健康診断で見つかる病気ですか?

はい。症状が現れる前に血液検査や超音波検査で見つかることも少なくありません。シニア犬では定期的な健康診断をおすすめしています。

胆嚢の異常を指摘されたら、お早めにご相談ください

胆嚢粘液嚢腫や胆嚢炎は、初期には症状が少ない一方で、進行すると命に関わる状態へ発展する可能性がある病気です。そのため、「まだ元気だから大丈夫」と自己判断するのではなく、現在の胆嚢の状態を正しく把握し、適切なタイミングで治療を行うことが大切です。

草津市・大津市のエルム動物病院では、超音波検査による診断から内科治療、必要に応じた胆嚢摘出手術まで対応しています。健康診断で肝数値や胆泥症、胆嚢の異常を指摘された場合や、食欲不振・嘔吐など気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。

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